猫史のヨーロッパ紀行

革職人&フォトグラファーのブログ

ヨーロッパ最終日


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明日には飛行機に乗って帰国するので、本日が今回のヨーロッパふらふら最終日。
特にこれといってしなきゃいけないことも無いので、朝から近所を歩きながら写真を撮り、買い物をして昼飯を食べて帰ってきました。

ここで今回の旅の総括を、と思っているんだけど、なんだろね、すごく普通な感じなんです。
以前2年半くらい海外に住んでいたことがあったからってのも多少は関係あるとは思うんだけど、結局のところ自分が生まれ育った街からとても遠いところにあるけど、そこには身体的な特徴の違いはあれど多くの人が住んでいて、その国々で国民性の違いってのはあるけど、結局やっぱり僕にとっては引越し先の候補地としてそこを捉え、冷静に実生活をしてみるようなシミュレーションをしてみたら、結果、どこだって良いやというとっても残念なように見えるかもしれないけれど、とても有意義な結果が出たというのが今回一番の収穫だったんじゃないかなと思います。

どんなところに住もうとも、そこには隣人が居て、良い人、嫌な人が居て、足繁く通うことになる店があり、好きな食べ物と散歩コースが出来上がるんだと思えば、よっぽど劣悪な環境じゃない限りきっと僕はヨーロッパ圏内ならどこでも住めるなと思えたのが良かったです。

そして、一番? かはわからないけれど、自分の中で気になっていた点として、「自分は革職人として、果たして世界で戦えるのか?」という漠然とした疑問があったんだけど、結果としては、「戦える」という結論に達しました。

こういうときはちょっと謙虚に書くべきなんだろうけど、やっぱりね、そこはきちんと第三者的な視点で正確にしておきたいなと思うんだけど、僕はヨーロッパのハイブランドに勤める分業制の職人たちにはその分野ごとの技術やノウハウで、今のところ勝てる気がしないけれど、ヨーロッパ内で個人でやっている、もしくは少数のスタッフで動いている工房の職人よりも、僕は技術的にもデザインセンスも上だなと思いました。

いくつかの店に行って、実際に作品を手に取って、革の使っている部分とかステッチとか仕上げとかを見たら、「あくまでも俺の判断だけど、これを商品として売っちゃダメでしょ」というレベルのものが多く、もちろんたまたま僕が行った店のレベルが低かったこともあるんだろうけど、とにかく僕の中ではあまり良しとはしないレベルでも、こうして一人前として食っていけている人がいるのであれば、言葉がわからなくても作品の良さだけで十分に食っていけるという自信になりました。

多分だけど、仕上げの良くない革製品はダメになるのも早いはず。
仕上げによってきちんとした形にすることで、引っかからないようにしたり、滑らかに使いやすくするのに、それが出来ていないのであれば、きっとそこからほつれが出てくるんだろうなと思います。

なので結果的に今年は日本にいることになるけど、来年にはヨーロッパに正式に移住します。

国はオランダです。
オランダ国内ならどこでも良いやと思うので、ネットで家賃が安くて広いところを探して、そっちに移住してオランダで起業します。

 

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そんでこのヨーロッパでの移動生活の中で、かなり濃密だったと思うんだけど、その濃密さにはいろんな要素を含む濃密さがあったなと思ってます。

それは外国語の重要性だったり、仕事に対する姿勢だったり、日本という国の言葉と文化だったり、そして音楽や小説、そして食事だったりと自分の生活に深く関わっていたことを、もう一度掘り返す作業が多かった気がしてます。

そういった要素がかなり突発的に自分の意識の中に入ってくることがあって、落語や諺、純文学やビートルズ、売れないまま死んでいった芸術家、食事の良し悪しと化学調味料。スリとホームレス。安いスマホとちょうどいいサイズのカメラ。メモ帳の重要さと細いペンの貴重さ。

僕はずっと引越しを繰り返す人生にいつしかなって、今回の引越しで本当に数多くのものを処分しました。

大げさじゃなく、今の僕の全ての持ち物は、バックパックとスーツケース1個分だけ。
他に僕の所有物は無いというこの状態だと、本当に必要なものって何かとか、自分が好むものは何かについて深く考えることになりました。

そしてこれは極論になるのかわからないけれど、「必要なものは全部金で買えるから、実際のところ、本当はモノなんて何もいらないんだ」という点と、「大事だと思えるものでデータ化出来るものは、可能な限りデータ化しちゃえば、それは自分が死んでも残る貴重なもの」だという考えでした。

そしてこれは逆説になるのかはわからないけれど、そういった必要なもの、不要なものが感覚的につかめてきたことで、ようやく僕は「もうそろそろ一か所に腰を落ち着けて生活しよう」と思えるようになったってことは、これ自分にとってとても大きな進化であり、変化だなと思っているわけです。

来月からは、富山県の金澤さんのところでお世話になります。

僕にネットショップと商売のやり方を教えてくれて、どんなことに対しても決して否定的にならずに、いろんな人の可能性を引っ張り出そうとする人なので、また僕はそこで少し成長させてもらって新たなステップに入っていけたらなと思っています。


はぁ、本当に良い3か月でした。

お世話になった皆さん、どうもありがとうございます。
そして次の再会を楽しみにして、一度日本に帰ります。

あー、本当に面白かった。面白かったし、これだけ充実したらもう自分の人生は本当に満足だったと言えるので、これからは体を大切にしながら酒を飲んで、いろんなことを愛でる毎日になればこれ幸いでございます。

そんなわけで、このブログは一段落。

次からは「一時帰国編」に突入致します。

日本にいる友人、知人、家族の皆さん。
可能な限り一緒にメシ食って酒を飲みましょう。

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