猫史のヨーロッパ紀行

オランダ在住の革職人&フォトグラファーのブログ

こうして村は死んでいく


f:id:yamadakazufumi:20170811204900j:plain「どうやらリヨンの近くにも、【フランスの最も美しい村】に登録されているところあるみたいね」と言われ、早朝にマルシェに来てしまってこのまま帰るのも勿体ないからということで、じゃあ行ってみっかと電車の時間を調べて向かうことにした。

リヨンから電車で約30分のところにあり、その駅から徒歩で15分くらい歩いたところにある村で、名は「ペルージュ」というところ。

どうやら映画【三銃士】の舞台になったとかならなかったとかの情報を読み、なんだか僕はその時点でちょっと覚悟をしながら村に入った。

 

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結果、あくまでも僕目線の話です、と前置きはしておくけれど、もうこの村は死んでしまったんだなと思った。

石造りの家、武骨な石畳の道、小さくても頑丈そうな家や、生活するには不便なのかなという坂道。

そういうものはまぁもちろん見たいんだけど、本当に僕が見たかったのは多分、「そこに住む人たちの息づかい」みたいなものだったんだけど、そこにいるのは観光客と一部のホテルとレストラン、そしてどこに行っても売っているようなちょっと割高な土産物屋だけで、なんだかもうちょっと、というか結構強めに悲しくなった。

 

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多分、僕が行ったタイミングも悪くて、小さい小学生くらいの子供たちが社会見学みたいな感じで大勢居たってのもあるんだろうけど、「これを求めてきたわけじゃない」というこれじゃない感が凄くて、そういや写真も全然撮ってないし、なにこのすごいやっつけ感のある写真笑

ただ、そうだよね、いや、そうなんだよな当たり前だよなと帰りの列車の中で考えてた。

日本でも「世界遺産にするぞー!!」っていうよくわからないあの自治体の高いテンションだったり、無理やり名物みたいなものを作ってその土地の特産品として売り出したり、観光客来い来い来い来いってなるのはそりゃね、いや大切なことだと思う。

そうしなきゃ、というか人が来なきゃその自治体は死んでしまうんだろねきっと。

ただ、なんだろねこれって。

結局僕は、そういった何かに認定されているところに、何かを求めてしまったらもうダメなのかなと昨日なぜか凄く強く思っていて、うちの店の名に冠したコンクに今回行かなくて良かったなと思ったりもしました。

きっと、僕基準で言うと、もうコンク村も死んでしまったんだろうと思う。

たぶん、きっと。

 

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はぁ、なんだろうこの切ない気持ち。

色々と大事に仕舞っていたものたちが、実は結構今の自分は嫌いになってたんだよっていうこの感じ笑

きっと、本当に大事でイメージとして残しておいたものたちは、もう見返しちゃいけないんじゃないだろうかと思った。

手の届かないところに置いといて、「そんなすげー良いところがあってさー!」ってずっと喋れるようなところを、こそっと自分の中に入れておくのが、僕にとっては一番幸せなのかなと思いました。

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